あなたのブログはまちがっている ―政治活動ツールとしての可能性―

2004年07月10日 00:00 : Trackback (0) : このエントリーを含むはてなブックマーク

高橋茂(株式会社アイランドボイス取締役)

 流行語大賞にノミネートされるかどうかはともかく、『ブログ』の利用者は300万人を超えたとも言われている。『ブログ』とはWeblog(ウェブログ)から来た造語で、現在日本で流行しているブログには、以下の2つの特徴が挙げられる。

1.掲示板に書き込むような手法で簡単にサイトの更新ができる。
2.簡単に他サイトとコミュニケーションがとれる。

 特徴の1により、誰でも簡単にホームページを運営することが可能となり、芸能人や政治家の活動報告や雑感を伝える手段としても使われ始めている。当社でも昨年初頭より、「プロフィール・ボード」と呼ぶホームページ作成システムを提供している。

 ところが、ブログをそのまま政治活動に使うには2番目の特徴が問題となる。
 あるテーマについて関連意見が書かれたりリンクされたりした場合に、そこから発展もしくは議論が深まることはまず無い。それはブログに関連付けられる情報が、集約されていくのではなく、発散されていくという特性によるところが大きい。

 ここを理解せずに、流行を追う形で安易にブログを採用すると、わかりにくい上に煩雑で荒れた印象のサイトになってしまうのである。

 そこで私は、情報発信としての政治家のサイトと意見交換の場を分ける方法を提案する。政治家のサイトに求められるのは、理念と過去(プロフィール)、現在(活動報告)、未来(ビジョン)が本人もしくはスタッフにより直接伝えられることである。この情報発信の場として最適な形にブログを構築する。

 市民の政治参加につながる意見交換の場としてブログを使う場合は、テーマを決めて資料を集めながら、運営していく必要がある。ここで重要なのは、結論を出すか出さないか決めておくことと、ひとつのテーマについて期限を決めること、そして政治家の位置を決めておくということだ。

 ブログに限らずインターネット上の掲示板は、匿名の者どうしが自分の自由な意思において参加を決めるものであり、参加するタイミングも異なれば、共通の資料を持っていたり、議長を設けたりするケースはほとんど無い。したがって、意見の言いっ放し、もしくは意見の交換で終わるケースが多い。

 そこで、ひとつのテーマに関して政治家は持論を提示し、それに対して市民が意見交換を行う。存在が公知のものとなっている政治家と、匿名が可能な参加者を同じ土俵に上げないということも実は重要なポイントだ。意見の提示と、それに基づく意見交換の場を分け、そのためのツールとしてブログを使う。

 インターネットをメディアとして考えた場合、ブログのような個人の情報発信に優れたツールが今後も登場してくるのは間違いない。ブラックボックスと化した議会活動や市民の政治参加に大きな役割を果たすことが期待される。しかし、単にツールに使われるのではなく、その目的に応じた使いこなしこそが求められるのだ。「トラックバック」や「XML」といった言葉が自分のサイトに使われていることに対し疑問を持たない政治家は、まず自分の話し言葉が理解されるものであるかどうか疑った方が良い。
(info@islandvoice.com)

*1960年長野県生。(株)アイランドボイスにて、『民意の集約』を目的とした政治や医療関連の事業に携わる一方、個人としてNPO法人『コラボ』、『良識の踏み絵』サイトの運営なども行っている。