和田健一郎(台湾 国立中山大学)
今回から、台湾の現地レポートの連載を始めます。初回という事で、今回のレポートでは、台湾の地理や歴史、経済の概要の紹介を行います。
1.地理
台湾は、東京から2,000kmほど南西に位置する、九州ほどの大きさの島です。気候は亜熱帯から北回帰線をはさんで南部は熱帯地域と日本と比べかなり気温が高くなっています(意外な事かもしれませんが、台湾の山間部では冬に雪が降ります)。
2.歴史
台湾は1945年まで日本の植民地時代を経験しています。太平洋戦争で敗れた日本は領土放棄し、その後、蒋介石率いる国民党(中華民国)の領土となります。しかし台湾統治の失政が相次ぎその不満から暴動が起き台湾中が混乱、その1週間後、軍によっての鎮圧で3万人もの犠牲者がでました。いわゆる「228事件」の勃発です。ちなみに日本統治時代、抗日運動等で亡くなった人は50年間で2万人と言われていますが、その犠牲を1週間で超えてしまったことになります。そのためか、台湾では日本に対しての感情は良好です。
1949年国共内戦に敗れた国民党は中国大陸から引き上げ台湾に立てこもります。
1975年蒋介石が亡くなると息子の蒋経国が後を継ぎます。1971年国連脱退、日本とは1972年に、アメリカとは1979年に国交断絶をすることとなり国際的に孤立していく中で、彼は父親の「大陸反攻」(大陸を取り戻す)政策の色を薄め、台湾島内の経済発展に力を注ぐ「自立自強」政策にシフトしていきました。その中で、今まで危険分子とされてきた日本の高等教育を受けた人材を登用することを始め、大きく経済発展することになりました。1988年に将経国が亡くなると李登輝時代へとバトンタッチし、民主化の政治改革を行いました。1996年には総統(国家元首)直接選挙を行うこととなり、2000年には初の政権交代があり今に至ります。
3.経済
面積では九州ほどの規模ですが、台湾の外貨保有高は世界で3番目、世界のノートパソコンの70%が台湾で生産されている事など、その面積の小ささからは想像もできない経済力を持っています。歴史の項でも触れたように、国際社会で孤立した政治状態のハンデを超えての経済発展には脱帽です。
台湾は、日本でいえばちょうど高度成長期を終えた頃の1970年後半から80年代前半のような感じの経済規模です。
今の日本は経済が行き詰まり、多くの議論がなされていますが、現状批判や、結局のところ他人任せなところも見受けられます。そんな中、日本が台湾に学ぶべき個所は多くあると思います。「自立自強」、という言葉が心に残ります。
次回は「台湾の徴兵と若者」をテーマに書きたいと思います。ご意見ご感想お待ちしています。
太陽が真上にある台湾高雄より(kaohsiung-ishigak@excite.co.jp)
中央大学法学部政治学科卒業。中央大学在籍時は、衆院選の公開討論会や李登輝台湾前総統のインターネット講演会などを開催。現在、台湾長期留学中(国立中山大学)。主な関心領域は、国際情勢(特にアジア情勢)など。
