編集後記:vol.43
2007年05月14日 00:00 : Trackback (0) : 編集後記

 皆様、今年のゴールデン・ウィークはどのようにお過ごしだっただろうか。ところで、NHKではこの時期を、「ゴールデン・ウィーク」でなく単に「大型連休」と呼んでいる。「ゴールデン・ウィーク」なる呼称はもともと、映画界がこの時期に大量の観客動員を狙って大作・話題作を公開するにあたり、宣伝的効果を兼ねて作りだしたものであるから、NHKでは用いられないのかな、と筆者は勝手に思い込んでいた。
 ところが、佐々木孝明・本誌初代編集長から、「NHK放送文化研究所のサイトに、その経緯が乗っています」との指摘を受けた。これを見ると、要するに、1970年代の石油危機以降、「暢気に何日も休んでいられないのに、何がゴールデン・ウイークだ」という抗議電話がたくさんかかってきたのがきっかけで、この呼称が用いられなくなったのだそうだ。
 休みの呼称は、案外その過ごし方に影響する。正月休みはついつい食べ過ぎるし、お盆休みには頭の片隅に先祖の姿が浮かぶ。「ゴールデン…」となると、やはり多少は享楽的なイメージが免れまい。言葉の持つ力はこと左様に本質的だ。何かと国民の批判を受けがちなNHKが、こういう点に神経質なのは分からんでもない。視聴者側も、「ゴールデン・ウィーク」ぐらいは、目くじら立てて抗議しなくてもいいのでは?(丸楠)